労働者の生活を顧みないブラック企業は許しません。サービス残業させられる、有給休暇がとれない、パワハラされるなどに対抗しましょう。私たちは、新潟の労働組合「にいがた青年ユニオン」です。

2015年8月10日月曜日

「最低賃金すら払えないような会社は淘汰されろ=最低賃金に値しないような労働者は淘汰されろ」というふうにはならないと思うが

タイトルと中身が異なるので、これはBLOGOSが悪いとして。

最低賃金すら払えないような会社は淘汰されろ=最低賃金に値しないような労働者は淘汰されろ
城繁幸 2015年08月09日

この記事についてみていきます。



記事「最低賃金しか払えない企業よりも、実際に働く人を守るべきじゃない?というお話。」に対して、

実際問題として、最低賃金あたりで雇用している大企業なんてものはなく、そういう意味で「最低賃金が低いのは大企業優遇だ」というのはありえない。また、都市部で最低時給近辺で雇用しているところもほとんどない。

最低賃金あたりで雇用している大企業は、本当にないでしょうか。
大企業かどうかはあれですが、ワタミが東北の被災地に最低賃金時給645円でコールセンターをつくった話は有名です。

また、最低賃金が低いから大企業優遇というのは、どういう意味が強いかといえば、下請け単価を買いたたくためには、下請けの労務単価が低くなければいけないので、大企業ほど最低賃金が低くしようと画策します。これは、最低賃金の引き上げを審議する審議会において、ある大企業の労働組合(会社ではなく、労働者の側のはずの労働組合で間違いありません)が、最低賃金の引き上げに消極的であるとされていることから。

都市部で最低時給近辺で雇用しているところがないかと言えば、そんなこともありません。各労働局が最低賃金を引き上げたときの影響がどれぐらいあるかを調べるために、毎年データをとっています。もしも、最低賃金付近の雇用がなければ、最低賃金がもっとぐっと上がります(そこまで上げても、さほど影響が出ないから)。

ちなみに、私たちは、新潟のデータを入手することができますが、毎年1%程度の最低賃金割れを起こすケースがあり、正社員でも時給1000円に行かないところにピークがあります。

それと、この記事のタイトルになった部分は、本論ではなく「ついで」なのですが、

ついでに言うと「最低賃金すら払えないような企業は淘汰されろ」という考えは、企業側からすれば「最低賃金にすら値しないような低生産性の労働者は淘汰されろ」ということであり、少なからぬ弱者が切り捨てられることになる(で、仕事はたぶん海外に発注される)。主に地方で発生するであろうそうした失業者が発奮して都市部に移住し、先端産業に移ってくれるかといえば、なかなか難しいのではないか。

経済活動には自由があり、自由競争で行われます。
一方、労働者も同じように労働力を一般の商品として扱ってしまうと社会が混乱するので、そうはなりません。
労働基本権が認められ、労働力は特別な商品として取り扱われます。
したがって、会社を切り捨てることはできても、労働者を切り捨てることはできません。

こうした考え方がないと、

最低賃金自体は引き上げよりも撤廃で、合わせて負の所得税のような低所得層向け支援制度を導入するのが望ましいというのが筆者のスタンスだ。

というふうになります。

もちろん、労働条件の引き上げには、もっと労働組合のような労働者の自主的な力が必要だと感じています。
何でもかんでも法律で縛っていくのは息苦しさもあります。
ですが、労働者と労働組合の権利を法律にしていくのであれば、問題はありません。
日本国憲法も、そういうスタンスです。

それに、「規制緩和」といって、いろいろなことがなされました。
いったい何が起きたでしょうか。

派遣労働の規制緩和で何が起きましたか。
貧困と格差の拡大、派遣切り、派遣村、生活保護受給世帯の増加。

ああ、郵政民営化ってのもありました。
何かよくなりましたっけ?

それはともかく、最低賃金を引き上げて喜ぶのは、ブラック企業と大企業ぐらい。
実際に、日本の消費者が貧乏になって困るのは、海外に逃げ出せない国内の産業です。