この引用元の記事のラストには同意できない。 しかし、有期労働契約で勤め続けている人を5年で雇い止められるようにしようとする動きが広がっていることは間違いない。日本の大学は非常勤講師を使い捨てる「ブラック大学」
ニューズウィーク日本版 7月31日(水)13時5分配信
早稲田大学が今春から非常勤講師に適用した就業規則について、早大の非常勤講師15人が6月、早大総長や理事らを労働基準法違反で東京労働局に刑事告訴した。原告の首都圏大学非常勤講師組合の松村委員長によると、非常勤講師は今年度から契約更新の上限を5年とする、と大学から一方的に通告されたという。
まず、おさえるべきところはおさえておこう。
有期労働契約とは、いつからいつまでと期間を定めて労働契約を結ぶこと。 当然、この期間も含めて労働条件なので、どちらかが一方的に変更することはできない。 期間途中で「もう働かなくていい」などといいだすことができないのである。 それだけ大事な条件なので、期間の定めをすることには何かの意味があるはずだ。
たとえば、お正月にお餅の需要が増えるので、その直前にお餅の製造に携わる人を募集する。 これはお正月が過ぎてしまえば雇用し続ける方が難しいのだから、期間の定めをすることに合理性はあるだろう。
しかし、期間の定めが必要ないのに、期間を定める会社がある。 まず1ヶ月更新。さらに1ヶ月更新。またまた1ヶ月更新。 こうやって繰り返していくのである。
ここには会社側の無理解があるように考えられる。 つまり、「次は更新しない」とさえいえば何の問題なく雇い止めできると思っている点である。
これは大間違いだ。
こういう風土は、会社側にいろいろなマイナスを持ち込むことになる。 労働者は、次も更新してもらえるように、業務ではなく、上司の顔色をうかがうようになる。 労働者どうしの連帯感も損なわれる。 待遇の違いが、対立を産むことになる。
さて、今回の5年雇い止めに戻そう。
「5年」という合理性はどこにもない。
ただ法律の条文に5年と書かれているだけだ。
それが3年だったら3年なのだろうし、7年だったら7年なのだろう。
業務に対する合理性がないのに、5年雇い止めをすることは、企業の自殺行為である。
業務に対する無責任さ。
業務に対する誠意がないことが、自殺行為なのだ。
業務が5年に区切りがないのに、人だけが5年で雇い止めさせられていく。 平均的にすれば、該当する従業員の5分の1が、その年にいなくなるという意味だ。
これだけ非正規労働者が基幹的業務に携わっている社会になってしまった。
新人教育はどうするつもりなのか。
ノウハウをどうやって蓄積していくつもりなのか。
有期労働契約を結ぶ5人に1人が、その年に転職を余儀なくされる。 この状況が一体何を引き起こすのか、まじめに考えていただきたい。
5年たったら更新しない?それ違法です-にいがた青年ユニオン