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2015年3月24日火曜日

精神疾患による労災認定 対策を強化すべき



今朝の新潟日報に「自殺を労災認定」という記事が掲載されています。

三条市の第三セクター・下田郷開発で道の駅のリニューアル事業に携わっていた契約社員の女性(当時45)=加茂市=が2013年3月に亡くなったことについて、三条労働基準監督署が労働災害と認定したことが23日、女性の遺族の代理人弁護士への取材で分かった。
新潟日報「三条・三セク契約社員 自殺を労災認定」2015年3月24日

またしても仕事で人が殺されてしまいました。記事によれば、2011年9月にうつ病と診断された女性は、自殺したとのことです。精神疾患に悩みながら働いている方も多いと思いますが、ここでは精神疾患による労災認定について見てみたいと思います。



同記事によれば、次のような流れとなっています:

2009年11月
女性は日帰り温泉施設などを運営する下田郷開発に勤務。
観光まちづくりの地域コーディネーターとして、下田地区の道の駅リニューアルに向け市と地域住民の調整などに当たる。

2011年9月
女性は、うつ病と診断される。

2013年3月
道の駅の再オープンを控えて契約終了を告げられた後、自殺。

2014年5月
遺族は、「フルタイム勤務の従業員が少なく、市職員の下請的な立場で多数の会議の準備など過重な役割を担っていた」として労災認定を請求。

精神疾患による労災認定の基準

業務上のストレスから精神疾患を発症し、労災を請求することが増加したことをうけて、厚生労働省では、認定基準を作成しています。

簡単に言えば、3つの点で判断します:
  1. 業務によるストレスが過重だったか
  2. 業務以外のストレスがなかったか
  3. 本人の病気や性格はどうか

詳細は、厚生労働省が配布しているパンフレットをご覧下さい。

厚生労働省:精神障害の労災認定

労災認定されたポイントはどこだろう


今回の女性が、労災認定されたポイントはどこでしょうか。
まず、うつ病を発症した2011年9月の直前に過重な業務があったものと思われます。
業務の役割はもちろん、長時間の労働があったかどうかは、労働時間の記録から明らかにできます。
おそらく、既往歴もなかったのでしょう。既往歴については、家族からの聞き取りで明らかにできます。

2011年9月以後は、おそらく病院にカルテが残っています。
そこに業務に関する記録が残されているかもしれません。

2013年3月末に雇い止めになることが通告されますが、これも心理的負荷を高める要因です。

亡くなられてから約1年後に労災請求を行っていますが、この間、おそらく下田郷開発側と交渉したり、どんな働き方をしていたのか、どんな病状だったのか証拠を集めていたと思われます。その後は、労働基準監督署が下田郷開発やご遺族に対して調査を行っている期間です。

私たちにはやるべきことがある


記事中に、亡くなられた女性の父親のコメントが出ています。
「娘が一生懸命仕事をしてきたことが認められて良かった。このようなことが二度と起きないようにしてほしい」

労災請求するご遺族が真っ先に考えることは、どうして亡くなったのか、どんな仕事ぶりだったのかということです。それを勤務先に聞いたとき、「たいしたことはない」「他の人と一緒」というような返事だったらどうでしょうか。今回、下田郷開発がどのような対応をしていたのか分かりませんが、労災認定とは残された家族にとって、亡くなってしまった大切な家族がこの社会でどんな役割を果たしたのか、それを追いかける作業です。
だから、「娘が一生懸命仕事をしてきたことが認められて良かった」という言葉になります。

しかし、それが認められても亡くなった人の命は返ってきません。
「このようなことが二度と起きないようにしてほしい」という願いは、今を生きる私たちに向けられた具体的な行動です。

記事の最後に「三条市は『直接の雇用関係がなく答えられない』」とあります。すぐに事実関係を把握することは出来ないのかもしれませんが、直接の雇用関係がなくても、地元の道の駅リニューアル事業に携わっていた労働者が亡くなったのですから、同じようなことが再び起きないように対策を検討すべきです。
これ以上、労働者が仕事で殺されてはなりません。