日本では、買う側と売る側の力の不公正が激しすぎる。
ものを売り、それに見合うお金を払う。
等価交換だ。
しかし、お金を払う側が常に強い。
何かが間違っている。
等価交換なのに。
「お客様は神様です。」
いや、人間のはずだ。
春闘関係のニュースでは、
アベノミクス効果で「賃上げ」(実際は一時金が多い)と話題になったのだが、本当にそうだろうか。
そう考えたとき、ふと思いついてしまった。
正しいかどうかはわからないのだが。
それは、必ず、「買い手企業」だということだ。
トヨタを例に考えよう。
トヨタは、正しくは自動車メーカーではない。
自動車組み立て会社。
部品を下請けが作る。
そして、トヨタがそれを組み立てる。
全体で1mmの誤差が許されるとして、
10個の部品が組み合わさるとしよう。
1個の部品の誤差は0.1mmでなければならない。
つまり、下請けほど精度よく作らなければならない。
その分、設備投資は大きくなるはずだ。
技術力も高くなければならないはずだ。
実際はどうだろう。
下請けの方が立場は弱い。
「買う側が強い」ルールに従うからだ。
とある部品メーカーは、リーマンショック前に比べて部品単価は6割に下げられたという。
景気がよくなっても単価が上がることはないだろう。
ツケは、すべて下請けがもっているということだ。
次にスーパーだ。
スーパーは、どこもかしこも「セール」「セール」。
チラシが入りまくる。
この点、買う側である消費者が強い。
しかし、彼らも買う側だ。
つまり、生産者側から買いたたいてくる。
「自分たちも安売りしなければ売れないのだから」といって、
生産、流通に値下げを要求する。
100円のものが売っていれば、
生産者は30円ぐらいで売りに出していると思って差し支えない。
さて、あなたならそれを30円で作れるかと考えてほしい。
結局のところ、
賃上げできた企業は、
どこかで買う側なのではないか。
つまりそれは、売る側にしわ寄せが行っているということだ。
そして、最終的には、労働者にしわ寄せが行く。
労働者も、労働力の売り手なのだから。
売る側に労働組合は少ない。
私たちにも、情報は少ない。
実際、どうなっているのか、ぜひとも知りたいと考えている。