労働者の生活を顧みないブラック企業は許しません。サービス残業させられる、有給休暇がとれない、パワハラされるなどに対抗しましょう。私たちは、新潟の労働組合「にいがた青年ユニオン」です。

2015年3月8日日曜日

働き過ぎを解決するなら労働時間の上限規制こそ

厚生労働省は、2016年4月から年10日以上の有給休暇を付与される労働者に年5日分の有休を取得させる義務を企業に課す方針と伝えられています。

新しい仕組みでは、年10日以上の年休を付与される社員(フルタイム社員のほか一部のパートタイム社員も含む)に年5日分の有休を取らせることを企業の義務とする。「義務化」といっても、これまでのように社員が既に5日以上の有休を取得している場合には、企業の義務は発生しない。例えば社員が自ら2日の有休を取得している場合に、年5日に満たない部分(この場合3日)を取得させる義務を企業側が負う仕組みだ。 「企業の有給消化義務、「5日」で調整へ どんな意味があるのか? 労働政策研究・研修機構研究員 高見具広」2015.3.7 THE PAGE
この政策は、有給取得率の低さを解消し、働き過ぎ防止策の一環として打ち出されたと指摘されています。
もともと休みの時を出勤日に変えて、有休を当てはめられるのではないか、管理職などは自宅残業が増えるのではないかとの懸念もあるとしています。
おそらくその通りでしょう。
そもそも、根本的な視点が欠けているのではないでしょうか。

有給休暇消化率が低いのは有給休暇のなんたるかを啓発しないから

有給休暇に関しては「年次有給休暇に関する条約」という国際条約があります。その内容は、1年の勤務につき3労働週(週6日制なら18日)が最低限で、分割する場合でも、2労働週は連続していなければならないというものです。
つまり、有給休暇とは、そもそも1日、1日を分割して取得するものではなく、全部まとめて休むものなのです。まさに有給休暇は「バケーション」です。
日本政府は恥ずかしいことに、この国際条約を批准していません。
それはそうでしょう。連続取得はおろか、日数すら足りません。
こういう基礎的なことすらできていない政府が、有給休暇の取得率を小手先で上げようといっても、根本的な解決になりません。

病気の時は「病気休暇」で対処すべき

有給休暇を分割して1日ずつ取得する理由の一つに、病気があります。ある日起きたら熱があるので、電話をして「今日は有休でお願いしたいのですが」というあれです。
これでは有給休暇を積極的に取得せずに、万が一の時のために取っておくということが起こります。
人間誰しも病気になるときがあります。また、無理して出勤しても万全の状態で仕事はできませんから、会社としても休んでもらった方がよいのです。
有給休暇の取得率を上げるのならば、「病気休暇」を新設すべきです。

子どもの病気の時は有給で休めるようにすべき

突然子どもが熱を出して休まなければいけなくなったというときも、有給休暇を使わなくてはいけない理由の一つです。これについては育児介護休業法で「子の看護休暇」という制度があります。しかし、無給で良いことになっています。会社が負担しなくてもよいとは思いますが、たとえば雇用保険の事業として給付するなどの措置があるべきです。

働き過ぎ防止なら労働時間の上限措置をもうけるべき

有給消化率が低すぎて恥ずかしいのもありますが、そもそも働き過ぎで過労死が絶えないのはもっと恥ずかしいことです。
労働時間についても国際条約があります。ILO1号条約は8時間労働制についてですが、これも日本政府は批准していません。
労働基準法では、労働時間は1日8時間、週40時間とされています。しかし、36協定を結べば労働時間は青天井です。しかも、変形労働時間制や裁量労働制、あげくのはてには「高度プロフェッショナル制度」などという残業代ゼロ制度まで持ち込もうとしています。
まさにここがポイントです。

本気で働き過ぎを防止するなら、労働時間の上限を法律で規制すべきです。それもやらず、残業代ゼロ制度を持ち込もうとしている政府は、ただ見かけの有給取得率を上げるだけしか興味がないのではないでしょうか。