朝に仕事をして、早く家に帰りましょう的なことを政府が言い始めています。
「ゆう活」だそうです。
7月1日から「ゆう活」が始まった。ゆう活は、政府が推進する「夏の生活スタイル変革」の別称で、朝早くから働き始めて明るい夕方のうちに仕事を終わらせ、夕方以降の時間を有効活用する生活スタイルを提唱している。家族や友人との時間を楽しむなど、ワークライフバランスを実現し、国民が豊かさを実感できるようにすることを目的とするものだ。
Business Journal「広がる早朝勤務は長時間残業の元凶?」2015年7月17日
しかし、これはまったく意味がないでしょう。
自分だけ朝早くなっても家族はそのままですよ
一人暮らしなら、自分の生活リズムがずれるだけなので、それほど問題がないかもしれません。
しかし、家族がいると自分だけ生活リズムがずれます。
保育園に通う小さな子どもがいても、保育園の開く時間が早くなるわけではありません。
自分は朝ご飯を早く食べなくてはいけないけれど、家族はそうではありません。
また、自分は早く帰ってきても、家族が遅く帰ってきたのでは、意味がありません。
学校が土日休みなのに土日休みじゃない仕事って何とかなりませんか
それに近いですが、子どもは学校は土日休みなのに、仕事は土日休みでないこともあります。
労働基準法では、「1週に1日の休日」とだけ。
1週に1日の休日しか保障されませんし、しかも、それが日曜日と特定されているわけではありません。
しかも、「4週に4日」という例外まであります。
なおかつ、36協定を結び、休日割増を支払えば、休日労働もありです。
家族生活と仕事の両立というなら、こういうところを考えていただきたいものです。
労働時間を減らすことをまじめに考えるべき
労働時間を減らし、過労死の悲劇をなくすためには、過労死で家族を失った家族やその弁護士らが求めるように、勤務間インターバル規制が有効です。
これは、前日の勤務終了から翌朝の勤務開始までの間に、一定時間を空けなければいけないというルール。
これを導入する企業も出てきています。
ヨーロッパでも導入されています。
過労死防止のために、勤務間インターバル制度は法制化すべきです。
それなのに、安倍政権はまったく逆に、残業代ゼロ法案で、残業代を払わない制度を導入しようとしています。
さらに、その陰に隠れていますが、裁量労働制の適用範囲を増やそうとも。
これこそ、まじめに労働時間を減らすことを考えていない証拠です。
早朝勤務といった意味のない方法ではなく、労働時間の上限規制を法制化する方が、ワークライフバランスには、よほど効果があるでしょう。