最低賃金引き上げの夏がやってきましたが、生活保護と比較された記事が出ています。
厚生労働省は15日の2015年度の最低賃金に関する小委員会で、各都道府県の最低賃金と生活保護の水準に関する最新データを公表した。それによると、最低賃金で働く人の手取り収入が生活保護の受給額を下回る逆転現象はなく、全都道府県で最低賃金が生活保護を上回った。14年度の最低賃金引き上げで逆転現象が解消したことが確認された形だ。
時事通信 最低賃金、「逆転」解消を確認=全国で生活保護上回る-厚労省 2015年7月15日
毎年言っていますが、これ、でたらめです。
何がでたらめかと言えば、厚生労働省の計算方式がでたらめだからです。
ブラックな働き方が想定されてる
厚生労働省の計算方式では、最低賃金で週40時間の割合で1年間働くことを想定しています。
たとえば、新潟県であれば時給715円の仕事を1週間40時間のシフトで、元旦から大晦日まで毎日です。
こんなことをすると、年間総労働時間は2000時間を超えてしまいます。
こんな仕事あるでしょうか?
最低賃金なのに、フルタイム。
正月もお盆も祝日もへったくれもありません。
違法だとは言いませんが、ブラックです。
それから、フルタイムで働くと社会保険に加入できます。
社会保険料は都道府県ごとに異なります。
ここで厚生労働省の計算は、新潟県の労働者なのに、沖縄にいることにさせられます。
沖縄が一番安いので、そうすることで手取りが増える計算です。
これは、なぞ計算ですね。
また、ここでは取り上げませんが、生活保護の金額は、できるだけ低く見積もろうとします。
(たとえば、「最低賃金」と「生活保護基準」の「逆転現象」は解消されていない!-用いられる「生活保護基準」のウソ-)
ごまかした結果、「最低賃金>生活保護」の計算結果が作られます。
生活保護が高いのではありません。
最低賃金が低すぎです。
最低賃金が時給1000円になっても、まだワーキングプアなのですから、いまのような引き上げ額ではなく、もっと抜本的に引き上げるべきです。