ブラック企業が泣きたくなる記事がありました。
働き方や出世に対し「ほどほど」「人並み」を望んでいる新入社員の数が昨年より増えていることが、公益財団法人日本生産性本部の調べで分かった。
Economic News 増える「闘争心なし新入社員」“人並みで十分”“残業よりデート” 2015年7月19日
ちなみに、日本生産性本部というのは、こういう団体。
生産性向上運動推進の中心機関。第2次世界大戦後の荒廃した経済を建直すため,アメリカを中心として世界的に展開した生産性向上運動を日本で推進するために経済団体連合会 (経団連) ,日本経営者団体連盟 (日経連) ,日本商工会議所 (日商) ,経済同友会などがアメリカの資金援助を得て日米生産性増強委員会 (のち日本生産性協議会と改称) を 1954年につくったが,政府もこれを援助することとなり,55年財団法人として発足した。
コトバンク
ああ、なるほどねっていう感じです。
では、その記事から調査内容を見てみましょう。
新入社員に対し、「人並み以上に働きたいかどうか」の問いに対し、「人並みで十分」と答えた人の数が昨年よりさらに増加(昨年52.5%→53.5%)。「人並み以上に働きたい」と答えた人の数をを大きく上回っている(昨年40.1%→38.8%)。働き方のほどほど志向が強まっているのだという。
これはとてもよい結果です。
過労死がまだまだなくならない日本では、他人よりも働いたら、過労死する危険性が確実に高まります。
命と交換してまで働く必要はありません。
「デートか残業か」では「残業」(80.8%)「デート」(19.0%)となった。プライベートな生活より仕事を優先する人が圧倒的であるが、比率としてはここ数年で「デート派」が増加しているとのこと。
デート派の増加も喜ばしいことです。
残業はそもそも臨時的にやむを得ず行うべきもの。
そのことを忘れている会社が多すぎます。
生産性本部としては、困ったことだなと思っているのかもしれませんが、労働者としては健全な方向へ振れています。
いままでが不健全、つまり、日本全体が「社畜」みたいな感じだったのですから、それが正常な方向へ行っているのです。
反論したい人もいるでしょう。
「仕事に生きがいを見いださないのか」と。
それに反論しましょう。
仕事に生きがいを見いださせないようにしたのはどこの誰でしょうか。
自分の生きる糧すらなく、人として自由に過ごせる時間がなく、命の危険性すらあり、そんな職場で生きがいなど見いだせるわけがありません。
仕事に生きがいをもてというのなら、生きがいの持てる仕事をよこしてから言いなさい。
これでブラック企業が敬遠されるようになれば、万々歳です。